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ライフ

「無料の観光マップ」に落とし穴 結局、再旅行する羽目に…

「まず地元自治体の地図は、あらゆる情報が悪い意味でフラットに掲載されています。誰もが訪ねるような超有名スポットと、知らなければ通り過ぎてしまうような『○○の跡』『××の碑』といった旧跡が同レベルの情報として書かれているので、予備知識がないと“重要度”が分かりません。

 また致命的なのは表示範囲です。この観光地は似たような名前の自治体が2つ隣り合った場所にありますが、地図を見ると、発行元の自治体にしか観光スポットが無いような体になっており、これでは多くの人が著名観光スポットを見逃すはずです」

 旅行をする人が、いちいち「自分がいま、どの自治体にいるか」を気にするはずはない。事情を知れば、隣の自治体の情報がないのは納得だが……。一方、旅行情報のプロであるはずの「出版社の地図」はどうだったのか。

「私が見た出版社の地図は、ほぼ『グルメマップ』でした。しかも紹介されているのはレストランもホテルもハイグレードな所ばかりで、財布に余裕がある人しか役に立たなさそうです」

 Kさんが使ったのは、基本的にこちらの地図。他ジャンルの見どころがたくさんあるのに、地元の名産物を食べ歩いただけで、満足して帰ってきてしまったのだ。それでは、地元に通じた観光協会の地図は何が問題だったのか。

「観光協会の地図はデフォルメが激しく、歩けるように見える距離が、実際はとんでもなく遠かったり、一直線だと思ったら実際はクネクネ道だったりしていました。公共交通で移動する人は、いちいち“本当の距離”を確認する必要があるでしょうし、地図を読むのに長けている人は、逆に困惑するかもしれません」

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