今年上半期はボックス圏での値動きが続いた日本株だが、今後注目すべき銘柄はどこにあるのか。フィスコ取締役・中村孝也氏が、銘柄選びのポイントとともに、10万円で買える注目株をピックアップした。
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円安の恩恵で増益変化率の高かった業種・銘柄は、円安傾向が小休止する中、今後は厳しくなるかもしれない。全体相場も上値追いの展開は考えにくく、大型株の反発は来年になりそうだ。
ただし、全体相場の下値リスクは低いので、中小型株の中に大きく株価が跳ね上がる銘柄も出てくるだろう。特に注目は、やはり内需関連の中小型株。中でも、フィーチャーフォン向けのサービスからシフト転換し、スマホ向けの比重を高めているような業態は面白い。
そうした観点から、私が「上がる株」として注目しているのが、「music.jp」や「ルナルナ」などの携帯電話向けサイトを運営するエムティーアイ(ジャスダック・9438)だ。
同社は、全国の携帯ショップで自社・他社コンテンツの販売促進を行なう成果報酬型のリアル・アフィリエイト事業も展開している。その販売チャンネル網を活かし、スマホ有料会員数の拡大に注力。2014年3月末の同会員数は533万人(2013年9月末比57万人増)まで増加した。
それが寄与し、2014年9月期の第2四半期決算では、前年同期は減益だった経常利益が13億1000万円の増益で着地。さらに、第2四半期決算発表とともに通期業績予想を売上高は315億円(前期比4.4%増)、経常利益は17億5000万円(同56.3%増)、営業利益も18億円(同56.6%)に引き上げている。
とはいえ、経常利益、営業利益とも、第2四半期までの進捗率はすでに7割を超えており、今期中のさらなる上方修正の可能性は高いのではないか。株価もまずは2013年11月の直近高値1000円まで戻す展開が期待される。
※マネーポスト2014年夏号