総務省がふるさと納税への規制強化を打ち出して以来、全国各地の自治体から“高返礼率の商品”が姿を消している。しかしそうした“お上の方針”に抵抗し、「お得な返礼品」の提供を続けている自治体もある。来年度には法制化されることが確実視されるだけに、今年末までが「最後の大チャンス」となるだろう──。
大分県産の黒毛和種の中でも、A4等級以上のみがその名を冠することを許される「豊後牛『頂』」──その切り落とし1kg(寄付額1万円)を返礼品として用意するのが大分県由布市だ。自治体の担当者は「在庫が残りわずかで1日10セット限定のご提供ですが、地元の業者さんの努力で、お得感の高い商品が提供できているのだと思います」(総合政策課)と胸を張る。
ふるさと納税は、自身で選んだ自治体に寄付すると、返礼品がもらえる上に寄付金控除が受けられる制度だ。
「実質自己負担2000円で豪華な品がもらえる」としてブームに火がつき、自治体の返礼品競争が過熱。総務省が去る4月に「返礼品の調達価格は寄付額の3割以下に」という通達を出すなど規制強化に乗り出している。