一方、テクニカル面からみた日経平均は、過去の累積出来高が多い22500円水準を控えて、ここからは戻り売り圧力も強いと予想されるが、上値トライの期待も膨らんでいる。日足ベースで5日移動平均が上昇を維持するなか、約3週間ぶりに200日移動平均線を上抜けてくる動きを見せてきた。週足ベースでは13週移動平均線と26週移動平均線が収斂するなか、デッドクロスの可能性がある一方、下値は切り上がってきている。まずは、200日移動平均線を下値として抑え込んでくれば、焦点は11月8日の戻り高値22583.43円で、これを更新すると21日安値21243.38円の2番底形成が確認でき、上値視界が一気に開けてくる。
外部環境での不透明要因は英国のEU離脱だ。英議会はEU離脱案について12月3日から審議を開始し11日に採択を予定している。否決などのムードが生じれば、欧州株安が新たなリスクとなって影響してくる。このほか、12月19日IPO予定のソフトバンク<9434>のブックビルディングが3日から7日のスケジュールで始まる。この期間に1日でもブックビル期間が重なるIPO企業はソフトバンクを含めて17銘柄に達する。マザーズ指数は11月9日の戻り高値を更新しており、中小型銘柄に関心が向きやすい地合いとなっている。
今週の主な国内経済関連スケジュールは、3日に7-9月期法人企業統計、11月新車販売台数、4日に11月マネタリーベース、5日に若田部昌澄日銀副総裁が新潟市で金融経済懇談会に出席・会見、7日に10月家計調査、10月毎月勤労統計調査、10月景気動向指数がそれぞれ予定されている。
一方、米国を含む海外経済関連スケジュールでは、3日に米10月建設支出、米11月ISM製造業景況指数、英国がEU離脱案について議会審議入り、4日にEU財務相理事会でイタリアの財政赤字に対する制裁開始決定の可能性、5日に米11月ADP雇用統計、米11月ISM非製造業景況指数、ベージュブック、パウエルFRB議長が経済見通しで議会証言(上下両院合同経済委)、6日に米10月貿易収支、米10月製造業受注、OPEC総会、欧州中央銀行(ECB)拡大理事会、7日に独第1党のキリスト教民主同盟(CDU)党首選挙、米11月雇用統計、米12月ミシガン大学消費者マインド指数、米10月消費者信用残高、8日は中国11月貿易統計の発表、開催が予定されている。
このほか、国内外で予定されているイベント等としては、3日に「2018ユーキャン新語・流行語大賞」発表、5日に武田薬品工業がシャイアー買収案に関する臨時株主総会開催、8日はジェイコム株大量誤発注事件から13年、9日は皇太子妃雅子さま誕生日(55歳)となっている。