その時、食事に訪れた店のスタッフなどと会話し、現地の医療機関のことなど、現地の人だからこそ知っている情報も引き出そう。さらに自分が活躍できる場や参加できるコミュニティーを模索することも大切だ。
「個人的に下見に行く時でも、行政が主導する移住体験ツアーに参加する時でも、現地の人に、“こういう趣味の集まりはないですか”などと聞きまわり、そのグループを見学させてもらいましょう。そうすることで知り合いができ、移住後の人間関係が築けます」
つまりは、知り合いがいない街から知り合いがいる街に変えるということ。
「お金がなくても、知り合いがいれば、ネットなどには載っていない情報を持ってきてくれたり助けてくれたりします。人とかかわることに抵抗がないなら、老後のひとり暮らしは地方移住がおすすめです。都心より人とのかかわりが多い分、孤独にはなりにくいので」
そうして地域のことを理解したうえで住む場所や仕事を探し、基盤が整ったところで満を持して移住をする方が、失敗が少ないという。
「実際に移住してみると、生活費は3分の1程度に軽減できますし、買い物はネット通販でほとんど手に入り、想像以上に暮らしやすいですよ」
移住者に住宅などの補助金を出している自治体もあるが、それだけに頼るのではなく、補助が切れた後のマネープランも考えておこう。
「補助金は地域住民の税金から出ています。人のお金で移住の手助けをしてもらっているのです。そこを理解していないことで、地元住民と移住者との間で軋轢が生じたというケースもよく聞きます」
移住先で幸せな老後を過ごすためには、人への感謝の気持ちも忘れてはならない。
※女性セブン2018年12月13日号