相続時に残すべきは家か現金か(写真:アフロ)
先頃がんで亡くなった樹木希林さんは、余命を告げられた時、「今のうちに家を売っておこう」と考えたという。不動産は分割できないため、遺族が揉めるイメージがあるが、節税の観点から見れば必ずしもそうではない。元国税調査官で、『相続税を払う奴はバカ!』(ビジネス社)の近著がある大村大次郎さんが語る。
「家で財産を遺すことは、節税には非常に有効です。遺産を現金にすると、全額が課税対象となりますが、自宅ならば大半のケースで相続税が安くなるからです」
自宅の相続税は、「建物」と「土地」それぞれの評価額をもとに算出される。そのうち建物については、年々減価償却で価値が減少するため、おおよそ建築費用から4割程度割り引いた額が評価額となるという。
また、土地の評価額も大幅に減額できる場合がある。
「『小規模宅地等の特例』を使えば、死亡した人と同居していた親族が家を相続した場合、330平米までの土地なら、評価額が8割も減額されます。夫が死亡し、妻が1億円の土地を相続する場合なら、2000万円の価値と見なして相続税が算定されるのです」(大村さん)
この特例は一定条件をクリアすれば、二世帯住宅でも親が老人ホームに入っていても適用可能だ。遺産をすべて現金で残すよりも、こうした制度を利用したほうが払うべき相続税を少なく済ませることができるのだ。
※女性セブン2018年12月13日号