ソフトバンク(9434)はソフトバンクグループ(9984)の日本における中心的な事業会社です。
上場日は12月19日(水)で、仮条件は日本初となる幅のない1500円の決め打ち。ある意味、株式への需要に対する自信の表れと言えるでしょう。
購入希望の申告を受け付けるブックビルディング期間は12月3~7日で、10日に正式に公募価格が決まります。
携帯電話事業というと、政府の携帯電話料金の引き下げ要求や楽天の参入などがあり、競合が激しくなるイメージですが、市場コンセンサスを見るとドコモは減益予想が続きますが、KDDIは緩やかな増益基調となっています。
ソフトバンクも今季は緩やかな増益予想となっており、今後についても横ばいか微増が続くのではないかと予想します。
同社の最大のポイントは配当性向が85%ということで、利益のほとんどを株主に還元する方針の会社だということです。比較的安定事業で配当利回りが5.0%ということを考えると、配当狙いの一定の需要はあると思います。
加えて言えば、今回はソフトバンクグループがかなり新規上場に関する宣伝を行っていますので、これまで株式投資をやっていない層も買ってくることも考えられます。
急激に株価が上昇する可能性は低いですが、配当狙いという視点から考えれば、IPOは申し込んでおいても良い案件と予想します。
ストックオプションリスク、ベンチャーキャピタルリスクもなく、上場後の株価は上昇する可能性が高いと思います。初値は1630円程度と予想します(ドコモの最大予想利回りの4.6%と同程度まで上昇という観点で)。
<12月11日追記>
ソフトバンク(9434)の当選結果が出てきましたが、複数の証券会社で予想以上に割り当てがあった方も多いようで、購入の見送りがかなり出ることが予想されます。売れ残りが出た場合は販売する証券会社が抱え込むことになりますが、これが売却に出てくると、株価の上値は重くなります。
以上のことから、初値は1630円程度と予想しておりましたが、公募価格(1500円)前後の予想に、下方修正します。
【PROFILE】戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。『日本人が知らなかった海外投資 米国株』他、著書多数。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。