そこで永田氏はより正確な世代(生まれた年)ごとの寿命を算定するため、厚労省の「簡易生命表」をもとに平均寿命を修正し、同い年の2人に1人がその寿命まで生きる「50%生存年齢(寿命)」と、長生きケースの目安として4人に1人が到達する「25%生存年齢(寿命)」を試算した。別掲の表は試算結果をまとめたものだ。
それによると「50%生存年齢」は、
●現在60歳の人(1958年生まれ)/男性89.0歳、女性96.1歳
●現在55歳の人(1963年生まれ)/男性90.0歳、女性97.1歳
――と、現在の平均寿命より10年前後も長生きすることがわかった。1977年生まれ以降の女性は、2人に1人が100歳まで生きることになる。「25%生存年齢」を見ると、現在60歳の世代は男性の4人に1人が95歳、同様に女性なら101歳まで生きると推計されている。
「この先も医療技術の進歩でがんや心疾患などの死亡率が下がっていくと予想される。60歳の人が80代になる頃にはもっと余命は延びているでしょう。現在40~50代前半の人であれば表の数字に0.5~1歳、それより上の世代は1~2歳ほど余命が加算されると想定してもいいでしょう」(永田氏)
人生100年時代は“遠い将来世代”の問題ではなく、現在の50代、60代の世代が直面する現実なのだ。リタイア後の生活設計も、それを踏まえて考える必要があるだろう。
※週刊ポスト2018年12月14日号