また、トランプ大統領は株価が上昇していることを自分の大きな成果として誇示しているが、米中貿易戦争の激化は株価下落の大きな要因となる。
トランプ政権は、対中強硬派に加え、ムニューシン財務長官やクドロー国家経済会議委員長などの国際派も政権内部に取り込んでいる。対中強硬派を使い、できる限り中国に圧力をかけつつ、最大限の譲歩を引き出したうえで、最後は国際派を使い、合意に至るといったシナリオをトランプ大統領は心中に抱いているのではなかろうか?
いずれにしても、今回の米中合意は世界の株式市場にとって、ポジティブサプライズであり、これから年末にかけて株高が期待できるかもしれない。
文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うTS・チャイナ・リサーチ代表。メルマガ「田代尚機のマスコミが伝えない中国経済、中国株」(https://foomii.com/00126/)、ブログ「中国株なら俺に聞け!!」(http://www.trade-trade.jp/blog/tashiro/)も展開中。