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怒るのをやめたら人生変わった… 30代男性が確信した「怒るのは損」

「ある日、彼女を乗せてドライブしている時、一時停止を無視して飛び出してきた車がいたんです。私は怒って相手の車を止め、車を降りてドライバーを怒鳴りつけ、スッキリして車に戻ってくると、彼女は私を見つめて一言『……怖い』と言い、そのまま会話は途切れました。車の中はどんよりとした雰囲気になり、デートはメチャクチャです。その直後にフラれてしまいました。

 ほぼ同時期に、仕事場で初歩的なミスをした後輩を怒鳴りつけたところ、次の日から会社に来なくなってしまう事件が起き、周りから批判されたことで、いよいよ冷静に考えました。

 私はその時まで、『自分に非がなければ、いくらでも怒っていい』と思っていた節がありました。けれども、結果として好きな彼女にはフラれ、慕ってくれていた後輩もいなくなりました。怒ることが自分の人生にとっていかに損なのか、身をもって知りました」

 これで怒るのをやめようと決めたTさん。その決断は立派だが、それで怒りが忘れられれば苦労はしない。ところがTさんには、すぐに効果を実感するような機会が訪れた。

「友人が合コンをセッティングしてくれた時のことです。女の子は可愛かったものの、会話はまったく弾まず、『今日はダメだ』と思っていた時、店員がビールを思い切り私のズボンにこぼしました。ズボンはびちょびちょです。ただ、私はお酒を飲んで気分が良くなっており、ズボンは汚れてもいいようなものだったので、平然としていたところ、女の子たちが『それだけこぼされて全然怒らないなんてスゴい!』と褒めてくれ、一気に場の雰囲気が良くなったのです」

 その後の細かい経緯は省略するが、その時の相手の1人は、現在Tさんの妻になっている。今や怒らないことにすっかり慣れ、仏のような性格になったTさんはこう語る。

「自分が怒らなくなって気付いたんですが、怒ってるところって傍から見るとカッコ悪いんですよね。周りから見ると、『怒っちゃってるよ、あの人(笑)』って感じじゃないですか。怒ると時間も体力も使いますし、周りの人にはドン引きされますし、得なことなんて1つもありませんよ」

 つい先日も、「席を譲ったお年寄りになぜか怒鳴られる」という不条理な体験をしたにもかかわらず、まったく怒らなかったというTさん。絶対に怒らないという姿勢は仕事でも貫いているが、会社の業績は下がるどころかむしろ上向きで、社員の定着率も上がり、「怒るのは損」という確信はいよいよ強まっているそうだ。

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