このように、同じ新聞を読むという行為であっても、株投資に興味を持つとその意味は大きく変わってくる。無味乾燥に思われた文字や数字の羅列が、次第に面白いものに変わってくる。
この株価欄については、新聞の独壇場である。
テレビであれだけの数の株価を紹介するのは不可能だし、インターネットでも一覧はできない。株投資をする人が増えれば、新聞は自然と発行部数が増えるはずだから、もっと熱心になってもよさそうなものだが……。
いずれにしても、シミュレーションを重ねて自分の感覚を鋭くする期間を設けることは大切だ。
さらにその上で、最初はあまり多額のお金を投じない。最近は、少ない額での投資について税制上、優遇するNISA(少額投資非課税制度)のようなものもある。
額が少なすぎると面白みがないから、私はNISAについて必ずしも肯定的ではないが、初心者が始める際に利用するのであれば、役に立つ。
※外山滋比古・著『お金の整理学』より