企業概要
紙おむつや生理用品を製造販売する日用品メーカーです。
国内の他アジアを中心にトップシェアを誇る製品を複数展開しており、赤ちゃんからお年寄りまでカバーするバランスの取れた事業構造は安定的かつ持続的成長の原動力となっています。
海外展開も積極的で、現在80の国・地域で商品を提供しています。近年は中国やインドネシア、インドを重点地域とする海外展開を加速させており、市場成長を追い風とした業績成長の波に乗ろうとしています。インド、福岡の工場を増強しており、紙おむつ供給力が高められていることも、シェア獲得のカギとなりそうです。
注目ポイント
足元の業績は好調です。国内外ともに生理用品が堅調であり、紙おむつでは国内の堅調な推移に加え、中国では越境ECおむつが約2倍に伸びるなど絶好調です。中国でのEC拡大に乗ることで売上増を実現しており、これまでのマーケティング投資が奏功していると見られます。インドネシアなどアジアでの収益性も改善しており、販売増に加えて、利益の伸びを押し上げています。
こうした要素により、原材料価格の上昇も吸収して粗利益率は39%と高水準。営業利益率も前年から12.9%⇒14.5%に大幅改善しています。上半期業績はいたって好調ですが、同社は原料価格の上昇を考慮して通期計画は据え置いており、現状の原油・為替水準が維持されれば、業績の上振れは必須。過去最高業績をさらに上乗せする見通しとなります。
増配を継続している企業としても注目で、今期達成されれば17期連続での増配となります。配当性向は24%と引上げの余地は十分残されています。財務内容も健全で、安心感のある投資案件と言えます。
PERやPBRからは割安感はありませんが、成長期待の高さから割高感もない水準です。できれば100日移動平均線など、支持線となっているところまで調整したところでの購入を検討したいところです。
【PROFILE】戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。『日本人が知らなかった海外投資 米国株』他、著書多数。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。