義理の夫などの親族と縁を切るために、亡き夫との関係を終了する「死後離婚」を選択する人が増えている。はたして、「死後離婚」にはどんな手続きが必要なのだろうか。
ひと昔前までは、結婚したら妻は夫の家族の一員として家事や育児を担い、義親の世話をするのが当たり前のことで、夫の死後、それを嫌がると“心無い嫁”と責められたりした。それが今、配偶者の血族との縁を切る「姻族関係終了届」を提出する人が増えている理由について、離婚問題に詳しい弁護士の佐藤みのりさんは、こう語る。
「姻族関係終了届は戦後すぐの1946年から存在していましたが、最近は家族の形態も変化し、夫も妻も一個人として自由に生きられるようになったことで、この届にスポットが当たったのだと思います」(佐藤さん)
具体的な手続きとしては、本籍地または住まいのある市町村役場で用紙を受け取り、必要事項を記入(表参照)し、提出するだけ。拍子抜けするほど簡単だが、不仲な夫の家族と縁を切るという感情的な解放だけでなく、扶養の義務からも解放される法律上のメリットも得られる。