「年内に仕込むべきか否か」が投資家の間で話題となっているのが、12月19日に新規上場(IPO)されるソフトバンク株だ。すでにブックビルディング(新規公開株の需要予測)は終了しており、公開価格で購入できるのは抽選に当たった人に限られる。
売り出し価格の1500円(仮条件。売買は100株単位)に対し、「上場時の初値は5%程度上昇すると見込んでいる」(投資サイト『IPOジャパン』の西堀敬・編集長)と期待を集めている。
市場からの資金調達額は2兆6000億円規模とされ、1987年に個人投資家の「株ブーム」を巻き起こしたNTT株(2兆2000億円)を超える過去最大級のIPOとなる可能性が高い。
では、今年最後の目玉銘柄を新規上場後に購入するのは得策なのか。ケイ・アセット代表の平野憲一氏はこう読む。
「政府の『4割値下げ要請』に象徴されるように、携帯電話各社は来年も値下げ競争を迫られそうで、収益が低下する懸念は消えない。上場後の株価には不透明感が漂います。
ただし、ソフトバンク株は配当性向の高さを謳っており、年間配当利回りは約5%と極めて高水準になる見込み。短期での株価上昇ではなく、長期保有による配当狙いが適していると思います」
大納会までの“今年最後の主役”であることには間違いないが、一方で来年の大発会での「お年玉銘柄」にはならないという見方のようだ。
※週刊ポスト2018年12月21日号