前述の通り、2018年12月の笑点の視聴率は3週連続で部門1位を記録するなど好発進しており、これは年末にかけての個人消費には良くないサインだという。10月から12月16日放送分までの2か月半だけでも1位を獲得した回数は8回で、それまで1~9月までの合計が8回しかなかったことを考えると、明らかに10~12月期は1位の回数が増えている。
この分析を裏付けるデータもある。『笑点』の視聴率1位が増えてきた10月からの消費者態度指数(消費者マインドを指数化した指標)を見ると、10月と11月は2か月連続で前月を下回っている。年齢階級別でみると、70歳以上の階級は29歳以下に次いで2番目に下落率が大きく、若い世代と高齢者が消費を控えている構図が浮かび上がる。
若い世代の買い控えも気になるが、高齢者は人口が多いだけに消費が落ち込んだときの景気への打撃はより大きいかもしれない。『笑点』は特に高齢者からの人気が高い番組だけに、こうした消費マインドの減退を示すサインになっているといえそうだ。
内閣府は、2012年12月起点とする景気回復の長さが高度経済成長期の「いざなぎ景気」を超え、戦後2番目に長い景気回復となったと発表した。これが2019年1月まで継続すれば戦後最長となるのだが、そのまえに高齢者の消費が腰折れしないことを願うばかりだ。
文■森田悦子(ファイナンシャルプランナー/ライター)