代表的な自動貯金アプリが「finbee(フィンビー)」だ。100円、500円、1000円の中からあらかじめ金額を設定しておくと、クレジットカードやデビットカードでの支払い時に、設定金額との差額が貯金に回る。たとえば、1000円の設定額で800円の支払いをした際は、差額の200円が貯金される。
おつりは、みずほ銀行や住信SBIネット銀行など、フィンビーが対応している金融機関に貯められる。クレジットカードは、JCBや楽天など多くのカードが対象だ。同社の江口晋右さんが説明する。
「銀行を登録すると、口座の中にもう1つフィンビー専用口座が作られます。買い物をして『おつり』が発生すると、口座内のお金がその専用口座に移動する仕組みです。専用口座の中で、『子供の学費』や『自動車税』など、目的に合わせて『小分け袋』のように複数に分けて貯められます」
少額の買い物でカードを使うのがはばかられる時も心配無用。
「このアプリが便利なのは、クレジットカードとひもづいた一部の電子マネーに対応している点です。『QUIC Pay』や『Origami Pay』『iD』などが使用可能です。コンビニで少額決済した時も、これなら安心ですね」(関口さん)
ただし、SuicaやLINE Payなど、チャージ型の電子マネーとは組み合わせられない。サービス開始から2年、フィンビーのユーザーは右肩上がりで増加し、2018年10月末に累計貯金額が20億円を突破。特に女性の利用が伸びており、家計を気にする主婦のニーズにマッチしたとみられる。
利用者アンケートでは、「貯金を諦めていたが、私でも貯められた」「計画的にお金を貯められるようになった』という声が多数届いているという。
「おつり貯金アプリを使っている人を対象に行った調査では、平均月1万円程度貯められているという結果が出ています。年間にすると12万円。ストレスなく続けられるから貯められるのでしょう」(関口さん)