いよいよ4月1日から始まる消費税率の8%への引き上げ。今からでもまだ間に合う「増税前に買っておくと得するもの」と、増税後の節約術について、経済アナリスト・森永卓郎氏が解説する。
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大きな買い物として、消費増税前に買って節約になりそうなのは軽自動車ぐらいではないでしょうか。軽自動車を持つ人が毎年納める軽自動車税は、現在の7200円が2015年4月から1万800円へと、3600円引き上げられます。したがって、近いうちに買い替えが必要であれば、増税前か、軽自動車税が上がる来年4月までに購入する方が得策といえます。
タバコや酒も、増税前に買い貯めしておいて損はないでしょう。一般的に家電製品は消費増税後に在庫調整で値崩れして安くなるので駆け込み購入のメリットはないと思いますが、単価の高い家電製品や高級ブランド品は別。それらは増税後も値崩れしづらいので、増税前に買っておくメリットはありそうです。
また、鉄道各社の定期券や回数券は、3月末までに購入すれば、消費増税後もそのまま利用できるので得になります。航空券も同じで、GWに旅行の予定がある人は、増税前に購入しておけば節約になります。ただし、定期券などは、切り替えのタイミングが合わずに途中解約してしまうと解約ペナルティが大きいので、有効期限によって損得をよく天秤にかけないとかえって損をしかねません。
出費する時はクレジットカードを積極的に使い、ポイントで消費増税分を取り戻す手もあります。特に最近は、ポイント還元率が高いカードが増え、電子マネーと組み合わせることで、ポイントの2重取り、3重取りが簡単にできます。
たとえば、イオンが発行する「イオンカードセレクト」はその典型といえます。クレジットカードと、イオン銀行のキャッシュカード、さらに電子マネー・WAONという3つの機能が1枚になったもので、これに入会してカード決済でWAONのオートチャージを行なえば「200円につき1WAONポイント」が付与され、さらにレジでWAON払いにすると、「200円につき1WAONポイント」が貯まります。つまり、0.5%×2で還元率は1%になるのです。
また、毎月20日、30日のお客さま感謝デーで買い物をすれば5%引きの適用が受けられる。さらに、イオン株を単元の100株保有していれば、株主優待として3%のキャッシュバックが受けられる。これらをすべて合わせれば、何と9%の得になるのです。今、イオン株は単元で10万円台前半で買えます。売らなければ損することもないので、この方法はおいしいです。
イオン傘下のダイエーでも順次、WAONが使えることになるので、これからは注目です。しかも、ダイエーは単元株保有で5%引きの株主優待が受けられる。そのための投資額は2万円に満たないので、さらにおいしいかもしれません。
※マネーポスト2014年春号