繰り上げは1か月ごとに0.5%ずつ、1年で6%減額され、繰り下げなら1か月に0.7%ずつ、1年で8.4%増額される。最大の70才まで繰り下げれば、『0.7%×12か月×5年=42%』も増える計算だ。
繰り下げと繰り上げで、夫婦の年金額がどう変わるかを表にまとめた。夫が会社員で妻が専業主婦(平均月収35万円、38年間厚生年金を納付)の標準的な夫婦が通常通りの65才で受給を開始すると、生涯受け取れる年金額は約5424万円。これに対し、60才に繰り上げると約4622万円になるが、70才まで繰り下げると約6028万円と、通常受給より1400万円も多く受け取れる。
長生きする人は繰り下げてゆっくり受け取ればよいが、“自分が何才まで生きるか”を予測するのは難しい。
「親族が長生き家系かどうかが大きな目安となります。その次に参考になるのが定年後の貯蓄額と働き方。夫婦が充分に暮らしていけるかを逆算し、計画的に受給開始時期を決めましょう」
※女性セブン2019年1月3・10日号