どちらにしても、その本を読んだからといって自分の人生に役立つとは思えなくなってしまいます。だからといって読書を否定しているのではなく、そこそこできる仕事人になるには、ビジネス書や自己啓発書ではなく、「自分の探求したい分野の本を読みまくる」ということでいいのでは、と思うのですね。
私の場合、ひたすら「食」「三国志」「インターネット」「罵倒のやり方」「ノンフィクションルポ」「アメリカ」について知りたいと思うので、この手の本をよく読みます。これらのテーマであれば、自分の血となり肉となり、自論をその後展開できるようになる。
それでも読んだほうがいい2冊のビジネス書
一方、ビジネス書の場合は「心構え」や「生き方指南」を説くものが多く、「あなたの人生と私の人生は違うので適用は難しいかな……」と思ってしまうんですよ。自分自身、ビジネスマンになってから22年目ですが、とんでもない失敗はやらかすことはなかったですし、年収も着実に上がってきました。しかしながらビジネス書はまったく読んでいない。だからビジネス書の有用性が分からないのです。
ビジネス書の場合、「一歩前に踏み出す勇気」を与えてくれる、という効果があるのは分かっています。よくあるのが「自分が会いたい人には強引でもいいから会いに行け」みたいな話ですね。それで発奮し、ツイッターでアプローチをしたり、いきなりその人の会社に電話をしてしまったりする意欲が湧いてきます。
こうしたエナジードリンク的な効果があるのは分かりますが、あんまり長続きはしないもの。結局他人の成功ストーリーを学ぶよりは、自分の強みをより強くするための論理や知識を増やすための読書の方がよっぽど有益だと考えています。だからこそ、2019年の読書術としては、ヒットしたビジネス書を片っ端から読むというよりは、興味・関心のある分野の専門書や関連書を読みまくるというのはいかがでしょうか。