「月10万円のパートを3年続けたら、年金は月額1650円アップし、10年続ければ月額5500円も増やせます。これが一生続くなら、コツコツ働く価値はあるでしょう。厚生年金は70才まで加入できるため、現在60才を過ぎている人でも遅すぎることはありません」
60才を過ぎているなら、国民年金の「任意加入制度」にも加入でき、おすすめだ。国民年金は、40年間加入すると満額の年間77万9300円が受け取れるが、未納期間や空白期間などがある場合、その分だけ受給額も少なくなる。そんな時に役立つ制度が『任意加入』という制度だ。
「本来なら、国民年金は60才までしか加入できませんが、この制度を利用すれば、原則65才までは国民年金に加入できます。単純計算すると、1年の加入は年間約2万円の年金に相当します。将来、自分の年金受取額は少ないと懸念している人は、利用すべきです」
夫が自営業の場合、加入している年金が国民年金だけでも、毎月の保険料に少し足すだけで、受給時に一生恩恵が受けられる「付加年金」という制度もある。
「毎月400円の付加保険料を支払えば、年金受給時に付加年金が上乗せされます。受給開始からたった2年で支払った保険料分の元が取れ、3年目以降は死ぬまで受け取り続けられるお得な制度です」
たとえば、5年間付加年金に加入した場合でみてみよう。納付する保険料は総額2万4000円かかるが、年金受給時に毎年受け取るお金は1万2000円。つまり、2年で納付分の元が取れ、3年目以降も毎年1万2000円が死ぬまで受け取れる。
「付加年金は、『任意加入』制度にも上乗せ可能で使い勝手のよい制度。利用しない手はありません」
受け取る時期に注意して制度を駆使すれば、年金を増やす方法はある。老後の暮らしを豊かにするために、今から賢い選択をしたい。
※女性セブン2019年1月3・10日号