小糸製作所(7276)市場平均予想(単位:百万円)
企業概要
主力の自動車照明分野は国内トップ。好調な業績を牽引しているのはLEDヘッドランプで、国内シェア60%、世界シェア20%を誇ります。納入先は約50%がトヨタ自動車ですが、国内外の完成車メーカーと幅広く取引をしています。世界5極体制で、海外9か国14社の生産拠点で事業を展開しており、海外売上比率は64%に上ります。
国内では自動車生産台数の伸びが鈍化しているにもかかわらず、自動車ヘッドランプのLED化により収益が前年を上回っているなど、LEDヘッドランプによる業績拡大が顕著です。この動きは世界中で進められており、「自動車照明のLED化」の波にうまく乗れている状態です。
LEDヘッドランプの世界最大メーカー
LEDヘッドランプは、省電力・長寿命という特徴から、ハイブリッドカーや電気自動車などをはじめ、幅広い車種への搭載が拡大しています。現在では、従来のディスチャージヘッドランプより約50%まで省電力化が進められました。
注目ポイント
同社は、世界5極体制というグローバル生産体制によって国内外メーカーからの受注を拡大させて好業績を続けてきました。ただ同社は、このような受注増による業績拡大のみならず、高付加価値製品などの製品構成比率改善の効果も寄与している点が良いと思います。営業利益率は10.9%と高水準。また投下資本利益率は10.7%と効率のよい経営ができていると見られます。
先行するLEDランプ(国内シェア60%、世界シェア20%)の普及は確実視できる成長要因であると言え、世界的なLED需要増の波に乗ることで中期的な成長も見込まれます。ただ、市場が成長する段階では競争が激しくなるのが普通であり、価格競争などによる収益悪化の可能性も否めません。同社の場合、納入の50%をトヨタ自動車が占めるほか、米国・中国という巨大市場で国内外メーカーから受注を獲得していることからも、市場におけるプレゼンスが高く、現在の高シェアを維持・拡大することが可能だと考えます。高付加価値製品での差別化も強みとなります。
また需要回復、販売台数が増加している中国市場での事業強化も業績に寄与してくるでしょう。生産開始が2016年6月のため来期への寄与が期待できます。
通期業績は4期連続の増益達成を見込みます。
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