投資情報会社・フィスコが、株式市場の12月25日~1月5日の動きを振り返りつつ、1月7日~1月11日の相場見通しを解説する。
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2018年最終週の日経平均は下落した。4週連続のマイナスとなり、年間では2017年末の終値から2750.17円安となり、7年ぶりの年間マイナスに転じた。3連休明けの12月25日は1010.45円安と5日続落し、下落幅は2月6日(1071.84円安)に次ぐ2018年2番目の下げ幅を記録した。米政権運営を巡る先行き不透明感に加え、1ドル110円近辺に進んだ円高を嫌気した。26日はアジア株安や米株価指数先物の下落などから、日経平均は2017年4月以来となる19000円割れに沈む場面があったが、突っ込み警戒から買い戻しも働き、6営業日ぶりに反発した。27日は、原油相場の上昇や好調な年末商戦を好感してNYダウが前日比1000ドル超の上昇をみて日経平均も続伸した。日経平均の上げ幅は2018年で最大の前日比750円強となり、3営業日ぶりに20000円大台を回復した。28日は6連休を控えて売りが先行し、閑散商いの中で日経平均は3営業日ぶりに反落した。ただ20000円台をキープしての大納会となった。一方、12月31日のNYダウは米中首脳の電話会談の報道を好感して前日比265.06ドル高と反発して年末を迎えた。
年明け2019年1月2日のNYダウは小幅続伸した。しかし、引け後に米アップルが中国市場での需要後退を理由に売上高予想の下方修正を発表し時間外取引で急落した。これを受けて、円への逃避買いが進み海外市場において対ドルで一時104円台後半への大幅な円高が進行した。3日のNYダウは12月ISM製造業景況指数が2008年以来の低水準となり、世界的な景気後退への警戒感が強まって660.02ドル安と急落した。このNYダウ下落と連休中の円高を嫌気して4日大発会の日経平均は、昨年末比452.81円安と再び20000円割れとなる波乱のスタートとなった。一時773.40円安となったものの、7日からの米中貿易協議などが伝わり大引けにかけては下げ幅を縮小した。
今週の日経平均は下値を模索するなか、ボラティリティの高い展開となりそうだ。波乱相場のきっかけを作っている「アップル・ショック」や世界的な景気減速への警戒感などの材料は海外発が主流で、引き続きNYダウや為替動向に左右されることになりそうだ。そのため、外部材料の落ち着きを待つ展開を強いられる。不確定要素が多く下値メドをはかることは難しいが、テクニカル的に見ると、TOPIXはすでに昨年末(12月26日)に1408.89ポイントと2016年11月中旬の水準に調整をみている。この時期を日経平均に当てはめると17600~18000円近辺だが、これを前に18224.68円(2017年4月)の下値フシを持っている。
これらは波乱の芽が膨らんだ場合だが、一方、反発材料もある。ポイントとなるスケジュールは、米通商代表部(USTR)のゲリッシュ次席代表ら代表団が1月7日から2日間の日程で北京を訪れ、中国との協議に入ることが報道されていることだ。米中貿易摩擦を緩和する動きが表面化すれば、短期的な急反発も想定される。中期的には米中協議期限の2月末までは警戒感の強い相場が予想され、米中の対話に一喜一憂する展開となりそうだ。