2019年の日本株市場をどう読み解くか。カリスマ主婦トレーダーとして知られる池辺雪子さんは、原油価格の動向が大きなポイントになると考えている。原油価格が日本株にどのような影響を与えるのか。また、原油価格の影響を大きく受けるその他の国の通貨はどうなるのか。池辺さんが解説する。
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日経平均株価に関して2019年の相場見通しが気になっている方も多いかと思いますが、私は「原油価格」が1つポイントになると考えています。
原油価格は10月から下落傾向が続きましたが12月初旬、OPEC(石油輸出国機構)とロシアなどの非加盟国が減産実施で合意しています。さらに、年末にはアラブ首長国連邦のエネルギー相が「場合によってはさらなる措置を講じる可能性もある」と示唆しました。
そして今後、減産効果が少しずつ表れ原油価格が下げ止まるようになれば、それに伴い日経平均株価の上昇につながる可能性が考えられます。現金化されていたオイルマネーが再び株式市場に戻ってくる可能性が想定されるということです。
ただし、数年単位で長期的に見れば原油の需要は減っていくことが想定されますので、その点は1つ意識しておかれると良いでしょう。
例えば中国は2025年までに全ての自動車を電気自動車に切り替えることを表明しています。以前、中国人の生徒さんが「中国の大気汚染がひどい」という話をされていたのを聞いたことがありますが、大気汚染対策の側面もあるのでしょう。
またアメリカの自動車会社・GMが、5つの工場を閉鎖するとともに電気自動車へ切り替える、という話も出ています。
このように世界中で電気自動車へのシフトが見られるわけですが、この流れが本格化すれば原油の需要は減少傾向に向かうことが考えられます。