クレジットカードや電子マネーなど、現金以外の支払い方法で決済した場合にポイント還元するという政府による増税負担軽減策は、キャッシュレス決済の普及を促す狙いもあるとわれる。しかし、“現金族”の不満は爆発寸前だ。
「すでに現金派はカード利用者の分のコストまで押しつけられているんです。これ以上現金で買った人が“罰金”を払わされる不公平なんて、到底納得できないでしょう」
そう語るのは、230万部の大ベストセラー『思考の整理学』著者で、お茶の水女子大学名誉教授の英文学者・外山滋比古氏(95)である。
近著『お金の整理学』(小学館新書)が話題となっている外山氏は生粋の現金派だ。95年の人生でカードを作ったことは一度もないという。
「そもそも商品価格にはカード利用の際に店側が負担する手数料などのコストが含まれているわけですから、現金で買う人はその分を上乗せされた“高い買い物”をさせられている状況があるのです。
売り手は本来、わざわざ高い買い物をしてくれている現金派を優遇して感謝すべきなのに、そうはなっていません。それどころか、日本社会全体でカード派に味方して優遇するなんて……」