妻を受取人とした保険に加入していた70代のA氏が死亡したとしよう。生命保険金は1000万円。これは、妻が受け取った時点では「非課税」の範囲内となる。
問題は妻がほどなくして亡くなった場合だ。妻が受け取った保険金は、今度はそのまま「現預金」として他の財産(不動産や預貯金など)と合算され、子供たちに相続されることになる。その際、他の財産額次第では1000万円にかかる相続税(税率10%のケースで100万円)が余計に取られてしまう。
子供のために入った生命保険なら、余分な税金を取られずちゃんと子供が活用できるよう、受取人を確認しておきたい。
Q:妻に先立たれたら?
A:妻の“置き土産年金”をもらえる可能性も
専業主婦で国民年金に加入する妻が逝去した場合、夫の収入が850万円以下で、かつ18歳未満の子供がいると遺族基礎年金が支給されるが、年金生活世代はほとんど該当しないはずだ。
一方、会社員として働き、厚生年金に加入していた妻が亡くなったら、夫は遺族厚生年金の受給権を得る。夫が自営業で国民年金のみの場合、または共に会社員で妻の給料が夫の稼ぎを上回っていた場合は、妻が亡くなったら夫が遺族年金を受け取れる。
「例えば夫の老齢厚生年金が7万円、妻の老齢厚生年金が9万円というケースでは、夫は自分の老齢厚生年金と遺族年金を合わせて9万5000円を受け取れます」(北村氏)
※週刊ポスト2019年1月1・4日号