お墓や仏壇に「相続税がかからない」ということはよく知られているが、「消費税がかかるか」を正確に知っている人は少ないのではないか。葬儀・お墓コンサルタントの吉川美津子氏に“仕分け”してもらった。まず葬儀費用。流れを追ってみていこう。
「葬儀の際は通夜や告別式などの費用は消費税がかかります。10月以降であれば、当然10%に上がります。
お坊さんに戒名を頼んだり、葬儀でお経を読んでいただくときのお布施は課税対象外。キリスト教の献金や、神社の玉串料なども同様です。葬儀後の火葬費用も非課税です。そして、精進落としのお斎(とき)の費用は課税対象になります」
次はお墓だ。
「墓所の土地を借りる墓地使用料(永代使用料)は非課税です。墓地の管理費は原則課税対象ですが、お寺が護持会費などの名目でお布施として集めている場合は非課税になります。
消費税が大きく影響するのは、数百万円する場合もある墓石。金額的に一番大きいですし、お墓の工事費用にも消費税がかかりますから、お墓を建てようと考えているなら増税前の方がいい。
ただし、墓石を購入するだけではなく、増税前にお墓として建て、代金の支払いまで済ませて引き渡しを完了しておくか、3月31日までに工事契約を済ませておく必要があります」(同前)