住んでみたい街の理想と現実には、得てして大きな差があるものだ。憧れのあの街は果たして本当に素敵な街なのか? まったくノーマークだけど、実は住みやすい街は? 今回は「阿佐ケ谷(東京都杉並区)」について、ライターの金子則男氏が解説する。
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都内を走る路線の中でも「JR中央線」は非常に特殊な路線。住みたい街ランキングで上位常連の吉祥寺、バンドマンや劇団員が集まる高円寺、サブカル好きの聖地・中野など、個性が強い街ばかりで、阿佐ケ谷の存在感はやや薄く、「住みたい街ランキング2018」では81位と低迷(?)していますが、その実力を知れば、きっと多くの人は不明を恥じるはずです。阿佐ケ谷の魅力を紹介しましょう。
鉄道はJR中央線の快速と中央・総武線の各駅列車の2種類。各駅列車は東京メトロ・東西線に直通する列車もあり、駅から南側に徒歩数分の場所には東京メトロ・丸の内線の南阿佐ヶ谷駅もあります。いずれも東西方向に移動する列車ですが、南北方向にはバスが出ているので、公共交通で不便さを感じることはほとんどないでしょう。
道路状況は微妙です。環七と環八の中間にあるので、良く言えばどちらにも便利、悪く言えば中途半端。青梅街道、早稲田通り、中杉通りなど、駅周辺の道路はガチガチに渋滞する通りではありませんが、都内ゆえにスイスイと走れるわけはなく、しかも高速道路の入口まで時間がかかります。スーパーはいくらでもあるゾーンなので、買い出し用の車は不要なので、無理に車を持つ必要はありません。