10月の消費増税の負担軽減策として政府が検討しているのが「ポイント還元」だ。増税後9か月間、クレジットカードや電子マネーといったキャッシュレス決済で買い物をした場合にポイントが付与される。還元率は、大手チェーンの小売店や外食店では2%、中小小売店では5%だ。
中小小売店というのは、「商店街にある店」や「個人経営のスーパー」のイメージだが、実際には〈資本金5000万円以下または従業員50人以下〉という小難しい定義があり、該当するかは直接確認するしかないだろう。
その中小小売店で仮に1000円の買い物をしたとする。10%の消費税が課され、支払う金額は1100円で、付与されるポイントはその5%の55円分だ。このケースでは増税分(2%)は20円なので、増税後にもかかわらず、キャッシュレス決済によってむしろ35円分の“減税”になる。
軽減税率の対象となるものを買った場合もポイント還元がされるため、仮に消費税8%の飲食料品を、5%還元の店で購入したとしたら、さらに得になるというわけだ。
だが、都心に比べて地方では、中小小売店でのキャッシュレス決済の導入が進んでいない。政府は端末の費用を負担するなどの対策を取る予定だが、スタッフが取り扱い方法を新たに覚えなければならないなど店側の負担も大きく、どこまで浸透するかは不透明だ。そうなると、同じ物を買うのに、「地域」によって5%ポイント還元が受けられるチャンスに差が出ることも予想される。