2019年の株式市場は、大発会から日経平均株価の急落で幕を開けた。年末から続く株価乱高下の背景には何があるのか。カリスマ主婦トレーダーとして知られる池辺雪子さんが、日本株に影響を与える海外の動きについて解説する。
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世界的に大きな懸念となっているアメリカと中国の貿易摩擦が日経平均株価にも大きな影響を及ぼしています。
ただ、アメリカ側が2019年3月1日まで追加関税の引き上げを凍結すると発表したことで米中の貿易摩擦は落ち着きを見せ始めています。
また、昨年12月に行われたアメリカのトランプ大統領と中国の習近平国家主席による首脳会談に引き続き、今月7日から8日にかけて次官級の貿易協議が行われたことも、市場にとっては好材料といえるでしょう。
「新冷戦」ともいわれるアメリカと中国の貿易戦争ですが、この2つの大国の経済争いは世界経済全体に大きな影響を及ぼします。それがここにきて、「停戦」の様子を見せはじめているのは、両国だけでなくGDP(国内総生産)世界3位の日本経済にとってもプラスに働くことでしょう。
さらに、株式市場の冷え込みに影響を与えていた原油価格も上向いてきましたし、日経平均株価に対するネガティブな材料は解消されつつあります。