企業概要
1910年の油脂事業創業以来、油脂化学分野をリードしてきた業界のパイオニア。創業80年の歴史の中で、油化、化成、化薬、食品、ライフサイエンス、DDS、ディスプレイ材料、防錆と現在では幅広い分野で展開しています。
業績ですが、18/3期は主力の機能性化学品事業、ライフサイエンス事業の好調によって増収増益での着地となりました。19/3期は増収も営業減益の見通しです。ですが、減益の主な要因は成長分野における研究開発投資や生産効率向上のための設備投資の増加によるもので、特にネガティブ視することはないと思います。
注目ポイント
同社には、創業来の油脂技術に加え、多角化展開によって培ってきた幅広い分野での個別技術が蓄積しており、これらを活用・応用、そして融合した独創的な新製品が生み出されることが期待されます。
この強みによって事業領域をさらに広げていくことも可能であり、積極的な先行投資は評価されるところでしょう。また、減益見込みも継続増配の方針としており、明示されている自己株買い・消却などと合わせた株主還元姿勢も評価することができると思います。
株価は右肩上がりできれいに推移していますが、依然割安水準にあります。高値圏にあることや、収益鈍化の見通しが株価の上値を抑える展開となる可能性があることには注意しておきたいところです。
【PROFILE】戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。『日本人が知らなかった海外投資 米国株』他、著書多数。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。