ただ、昨年12月には米中首脳会談が開かれ、今年に入ってからは次官級の貿易協議が中国で開催されるなど、米中関係が落ち着きを取り戻そうとしています。
投資の世界では、私のようにテクニカル分析をもとに判断してトレードする投資家もいれば、ファンダメンタルズ分析を重視してトレードをする投資家もいます。そのため、米中の貿易摩擦が思ったほど、深刻なものにならないというのはアメリカドルに対する懸念が一つ解消される明るい材料ではないでしょうか。
ただ、アメリカ経済にとって、もう一つ大きなネガティブ材料が控えています。
それは、メキシコとの国境問題です。昨年末にトランプ大統領はメキシコとの国境に壁を作る予算を捻出するために政府機関を一部閉鎖しましたが、閉鎖は依然、続いたままです。
今年に入ってからも強気の姿勢は崩しておらず、国家非常事態宣言を宣言してでも壁の建設を強行すると言っています。政府機関の閉鎖も国境問題が解決するまで数か月でも数年でも続ける、また、大統領権限で議会の承認なしに国境の壁を建設する予算を捻出するとまで言っています。
このトランプ大統領の強気な姿勢がどこまで続くのか? アメリカ経済にとって、どう影響を及ぼすのかは引き続き注目が必要かと思います。
マーケットは基軸通貨であるドルの動きに連動する
投資家の中には、ドル円のトレード自体をしていない方も多くいるかと思います。しかし、ご自身がトレードをしていなくても、毎日、ドル円の動きはチェックするように心がけておくとよいでしょう。
というのも、ドルは世界の基軸通貨ですので、その値動きはすべてのマーケットに影響を及ぼします。ドルの動きにつられて、他のマーケットが連動するという面があるのです。