大学生の就職活動シーズンがまもなく始まるが、企業側に高く評価される優秀な学生とはどんな人なのだろうか。かつて広告代理店勤務時代に採用活動に携わった経験のあるネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、「自分が出会った中で史上No.1の優秀な学生」について振り返る。
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これから就活に臨む方は、彼とは別の人生を送っているため、彼のことを真似ることはできませんが、彼がなぜ採用したいと思われたかは知っておいていいでしょう。何しろ、彼は「面接で通したくなる学生」の条件をすべて満たしていたのですから。彼については拙著『内定童貞』(星海社新書)でも書きましたが、ネットでは書いていないのでここで改めて紹介します。
私は今でも学生の就職活動の相談に乗ったりはしておりますが、自分が広告会社の博報堂で働いていた1997年から2001年までは多数のOB訪問を受けるほか、2000年の就職活動では採用担当をしました。
その年、「リクルーター」として約70人の学生に会いました。ABCDの4段階で若手のリクルーターが学生を評価し、2人以上から「B」がつけば人事が動き、あらためて採用面接するかを判断するという方式の採用でした。私はこの年、14人に「B」をつけ、1人に「A」をつけました。B以上をつける判断は、「我が社で活躍できる姿が想像できそうか」という点がもっとも重要です。
頭は良さそうなものの、若干チャラい面もある広告業界に入るとその人の良さが発揮できないな、メーカーの方がいいんじゃない? みたいな人には「C」をつけ、どうしようもないほど合わなそうだったり、あまりにも礼儀がなっていないと感じた学生には「D」をつけました。