中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

採用担当者が出会った中で「最も優秀な学生」は何が凄かったのか

 だから、その業界に関連した(と自分が信じ込む)「武勇伝」はあまり言わない方がいいと思います。理由はそのジャンルにおいてはやはり社会人に勝てるわけがないから。むしろ「生意気なバカが来たから落としてやる」と逆効果になる可能性が高いでしょう。

 さて、A君の話になりますが、私は「大学で何を頑張りましたか?」と聞きました。彼は「ちょっと長くなりますがよろしいでしょうか?」と言うので「ぜひぜひ」と答えました。以下、彼の語ったことです。実際は私が早く次の話を聞きたくて「で、どうしたの?」「えぇ!」なんて言葉を入れたのですが、そこは煩わしいので割愛します。一気に彼が語った、という体にしますね。

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 僕は大学のラグビー部で「渉外」的な役職に就いています。そのため、様々なOBとの折衝などもやってきたのですが、一つの夢がありました。それは、僕らの部がラグビーの「聖地」たる大阪の花園ラグビー場で試合をするということです。それができれば、大切な仲間と一生の思い出も作れることでしょう。

 様々な権威ある大会を開催する会場なだけに、おいそれと僕らのような強豪校とはいえないような部の試合に貸してくれるとは思えません。そこで考えたのは、花園の担当者が僕らを「聖地を貸すに足るチームである」ということをどうすれば認めてくれるか、ということでした。

 ある程度実情は調べたのですが、熱意を見せればなんとかなるかもしれないといった感触はありました。そこで考えたのがラグビー世界一の国であるニュージーランドで合宿を張ることです。ニュージーランドにチームで行き、当地の選手と一緒に練習をし、試合をすれば、本気度が伝わるでしょうし、実際に実力も上がると思います。その実績をもって交渉に臨もうと思いました。

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