投資情報会社・フィスコが、株式市場の1月15日~1月18日の動きを振り返りつつ、1月21日~1月25日の相場見通しを解説する。
* * *
先週の日経平均は上昇した。2週連続での上昇で20600円台に上値を切り上げてきた。3連休明けの15日の日経平均は続伸となった。昨年12月の中国貿易統計で輸出入が予想外に減少し、NYダウも続落となったことを受けて朝方は売り先行で始まった。しかし、1ドル108円台後半に振れた為替の円安と、中国の国家発展改革委員会が景気対策を講じると伝わったことを受けて東証1部の値上がり銘柄は全体の7割弱と浮揚力を増し、日経平均も上昇に転じた。
中国の景気刺激策の導入を好感してアジア・欧州株高の流れを受けて現地15日のNYダウは反発に転じたものの、16日の日経平均は3日ぶりに反落した。英議会下院で欧州連合(EU)離脱案が否決されたことは想定内と受け止められたが、2日間で400円近く日経平均が上昇したこともあり、利益確定売りが先行した。一時は前日比231.97円安まで下押す場面があったものの、10日以来となる日銀のETF買いもあって下げ幅を縮めて大引けた。
17日は英議会におけるメイ内閣不信任案否決を受けて、海外市場は落ち着きが確認され、朝方は買いが先行したものの日経平均20500円超え水準での戻り売り圧力は強く小幅続落となった。ただ、米大手行による市場予想を上回る決算を好感したメガバンクが上昇したほか、欧州関連の側面も持つ任天堂<7974>が後場にかけて上げ幅を拡大するなど、東証1部の値上がりは1300銘柄以上に達し、TOPIXは反発した。18日は米中関係の改善期待からNYダウが3日続伸となったことに加えて、為替の円安を好感して日経平均は3日ぶりに反発し、フシ意識が働いていた20500円台を寄り付き直後から上回る展開となった。
今週の日経平均は、引き続きNYダウと為替動向をにらみつつも上値を試す場面がありそうだ。今3月期業績を増収増益から一転して減収減益予想とした日本電産<6594>の下方修正は、改めて中国経済を中心とした世界経済の後退を意識させた。しかし、発表を受けての日本電産の18日株価は安寄り後に下げ幅を縮める展開をみせた。同じく通期業績を10日に下方修正した安川電機<6506>も発表後に株価は上昇しており、主力ハイテク株は警戒感を抱えながらも業績修正に対して株価は下方硬直性を示し始めている。