浪人や留年をすることのなかった大卒入社のサラリーマンが60歳定年まで働けば厚生年金加入期間は38年。大学生の時に国民年金保険料を納めていないケースも多いだろう。基礎年金(国民年金)部分を満額受給するには40年間の加入期間がいるため、雇用延長が2年未満でリタイアすれば満額もらえない。
だが、諦める必要はない。
国民年金は65歳まで任意加入が可能だ。無職であっても残り期間の国民年金保険料を払い、加入が40年になれば65歳以降の年金が満額支給となり、年間約3万9000円アップする。
一方、中卒入社や高卒入社で厚生年金の加入期間が44年に達した場合、本来なら65歳にならないともらえない基礎年金を「長期加入者特例」で厚生年金の特別支給開始と同時に受給できる。ただし、この特例を受けるためには厚生年金から脱会していなければならない。
60歳定年後に雇用延長し、加入期間44年に達したところでリタイアして、65歳になる前に厚生年金と基礎年金を満額受給するのが得な方法といえる。
この他にも、国民年金には毎月の保険料に400円プラスして支払えば「200円×加入月数」が65歳以降、生涯もらえる「付加年金」や保険料が安くなる前納制度などがある。
そうした“得する年金”のテクニックをフルに使って対抗していきたい。もらえる年金は、手続きをしてしっかり受け取る。それがあの手この手で奪おうとする“お上”への対抗策となる。
※週刊ポスト2019年2月1日号