遺族基礎年金は、夫(被保険者)の死亡時に18才未満の子、または障害のある20才未満の子がいる場合に受け取れ、遺族厚生年金は子がいない場合でも受け取れる。
遺族年金の対象者以外でも、国民年金に加入していた自営業などの第1号被保険者が未受給のまま亡くなった場合、妻に対して60~64才の間、支給される「寡婦年金」もある。寡婦年金請求書を提出すれば、年間約58万円を5年間受け取れる。
「これらの年金を受け取るには、故人の死後『年金受給権者死亡届』を提出しておく必要があります。国民年金の場合は死後14日以内、厚生年金の場合は死後10日以内の提出が必要です。この手続きをしないと、死後も年金を受給し続ける違法な状態となり、発覚すれば詐欺罪に問われたり、年金機構から突然、不正受給をした額の返還請求がくることもあります」(井戸さん)
親や夫が生きている間に、ボケる前にやっておくことで、さまざまな事務処理が楽になることは多くある。
肉親の死に動揺しない人はおらず、そうした精神状態でさまざまな判断を下せば間違いも起きやすい。親の財産の話は聞きづらいが、そこを乗り越えて、しっかり家族で話し合っておこう。
※女性セブン2019年1月31日号