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スポーツ強豪校、一般入学の生徒が部活で門前払いされる是非

未経験者に「じゃあ腕立て伏せ1000回やって」

 上で挙げたようなケースを美談と見るか、彼らを最初から部に入れなかったシステムの犠牲者と見るかは解釈が分かれるかもしれないが、門戸を閉ざされた者は悔しい思いをすることになる。都内に住む30代の男性Sさんは、こんな経験の持ち主だ。

「私は中学生の時にJリーグのユースチームにいましたが、練習場が家から非常に遠かったので、より良い環境を求めて神奈川県のサッカー強豪校を受験し、合格しました。その高校は日本代表をはじめ、数多くのJリーガーを輩出している名門校です。しかし入学してサッカー部に入部希望を出すと、あっさりと『ウチのサッカー部はセレクションを受けた選手しか入れない』と言われました。入学してから分かったことですが、その高校は、サッカー部のほか、野球部や柔道部、ラグビー部員も全員セレクションでした」(Sさん)

 リサーチ不足と言えばそれまでだが、一旦入った高校を簡単に変えることはなかなかできない。すっかりやる気を失ったSさんは、サッカーもやらず、学校にもマジメに行かないまま高校生活を終え、今でもそのことを後悔している。

 一方、40代の男性Fさんは、ラグビーの名門大学で門前払いを食らった。

「合格した大学がラグビーの強豪校だったので、ラグビー部に入ろうと思いました。それまでラグビー経験はありませんでしたが、身長が180cm以上、体重が90kg以上あり、高校まではサッカーをやっていて、運動神経にも自信がありました。

 ところがラグビー部に入りたいと言うと、コーチらしき人は『ラグビー経験は?』と言い、『ありません』と答えると、『じゃあ腕立て伏せ1000回やって』と言いました。とりあえずトライしましたが、100回を越えたあたりで『もうできません』と言うと、『じゃあ無理だね』と言われ、それでおしまいでした」(Fさん)

 Fさんは一気にラグビーをやる気が失せ、それ以来、ラグビーが大嫌いになったという。

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