2104年から導入されたNISA(少額投資非課税制度)口座の投資限度額は、年間で1口座100万円まで。したがって、ファーストリテイリングや三菱地所といった、最低投資金額が100万円を超える株は、通常は、NISA口座では購入することができない。
しかし、そうした値がさ株を、NISA口座で購入可能なサービスがある。証券会社が提供している、個別株の積立てサービスや、単元株数に満たない株数を購入するいわゆるミニ株投資だ。
個別株の積立てサービスを解説しよう。一般的には、株式累積投資と呼ばれるもので、大手証券が提供している。証券会社によってサービス名は異なるが、仕組みはほぼ同じ。毎月あらかじめ決めた日に、最低1万円から1000円単位の金額指定で個別銘柄を購入していく。
1万円でファーストリテイリング株を買えるのだ。もし、毎月8万3000円ずつ購入していけば、年間で99万6000円分を購入することになり、NISA口座の年間投資枠内に収めることができることになる。
すべての銘柄が積み立て投資の対象となっているわけではないが、主要な銘柄はカバーしている(野村證券は1781銘柄、大和証券は1115銘柄)。また、ETF(上場投資信託)やREIT(不動産投資信託)も対象となっているので、例えば、日本ビルファンド投資法人といった“値がさリート”にも投資できる。保有株数分の配当金が受け取れる点も魅力だろう。
注意しなければならないのは、買付日や注文方法が限定されている点。買付日は、会社ごとにあらかじめ決められた、いくつかの日にちの中から選ばなくてはならない。そして、売買注文は、買付日に成り行き注文として出される。したがって、その日の始値で購入することになる。また、売買手数料がやや割高である点にも注意が必要だ。
※マネーポスト2014年新春号