平成最大の新規上場(IPO)として大注目を集めたソフトバンク株(東証1部、9434)。しかし初値は公開価格(1500円)を下回る1463円。それから1か月余りが過ぎても公開価格はおろか初値も上回らない現状に、延べ90万人ともいわれる株主から嘆きの声が相次いでいる。
はたしてソフトバンク株は見切りをつけて損切りしたほうがいいのか。それとも今後の上昇に期待して持ち続けるほうが賢いのか。実際にソフトバンク株を買った「億り人(投資で1億円以上の資産を築いた人々)」に意見を聞いた。
1億6000万円分の同社株を買った投資家のたけし氏は、1月7日に株価1449円で売却して約500万円の損切りに踏み切った。
「ソフトバンクのような大型IPOは海外投資家目線で見る必要がある。そのため海外の大手通信社と比較した結果、1500円でも割高ではないと上場前から思っていました。
しかし、他のIPOのケースと比べてみると、出来高などのデータから“ソフトバンク株をIPOで購入した個人投資家の売り”は1年以上続くケースが多いとも予想できた。結局、今後も株価が低迷する確率が高いと考えて売却した。ソフトバンク以外にも、国内だけで3500社以上の銘柄がある。『この銘柄に執着しないほうがいいだろう』と判断したのです」
名うての投資家は、素早い判断と行動で損失を最小限に抑えようと常に考えているようだ。