「税金を払ってでも持つ」
一方で、「今も保有し続けている」という投資家もいる。東洋経済オンラインなどで連載コラムを持つカリスマ投資家の内田衛氏もそのひとりだ。内田氏は証券会社8社に1000株ずつ申し込んで、3200株に当選。総額480万円分購入した。
「相場全体の地合いも悪く、嵐の船出となりそうなことは予想していましたが、現在の下落率4.5%(1月24日現在)に対して、約5%の配当利回りは、下落分を補える水準です。
昨年末の『クリスマスショック(※注)』でも価格を大幅に下げることなく持ちこたえたことなどから、すでに短期売買目的の人は売ってしまっており、底堅いことが窺える。
【※注/2018年12月25日に起きた、日経平均株価の大幅下落。前日比で1010円値を下げ、2万円を割った】
少なくとも3月の期末配当の権利をもらうまでは保有しようと考えていますし、この利回りが続きそうなら、税金を払っても3~4年持ち続けるほうが得策だと思っています」
「損切り派」と「持ち続ける派」で見方が分かれるのは、今後のソフトバンクの業績評価に対して好感・悪感が相半ばしているからでもある。次世代通信規格「5G」では、NTTドコモやKDDIに加え、楽天などが参入してくることで競争は激化するとの見立てが強い。まして携帯料金の値下げ圧力も高まってきているため、収益増は望みにくいとの見方がある。
一方で、ソフトバンク株に対する証券各社の評価をみると、今後の目標株価を1600~1800円と上昇を予想しているから悩ましい。
「今の株価からすれば強気な見方だが、ソフトバンク株を大量に抱える証券各社にとっては、何としても上げたいという思惑もあるのでしょう」(市場関係者)