リスクがあるところに投資家は資金を投入しない
中国の自動車販売台数が落ち込んでいるというニュースが発表されたように中国国内の景気は減速傾向にあります。アメリカとの対立が大きな原因ではありますが、中国国内の金融引き締め策や個人消費の冷え込みなどの影響で、2018年の国内総生産(GDP)はリーマン・ショックがあった世界金融危機以来の水準となっています。
そのため、中国政府は企業や個人に対する大幅な減税を実施することを発表して、景気の落ち込みを食い止めようとしています。
中国国内だけではなく、中国の経済成長が鈍化すれば、世界経済の成長も一緒にストップしてしまうため、中国国内の経済には引き続き注意が必要です。投資家の立場からすれば、リスクがあるところに資金を置いておきたくはありません。
昨年までのように米中の経済摩擦がそのまま進むようでしたら、アメリカ株から資金が流れ出る可能性もありました。しかし、中国側がアメリカ側に譲歩する姿勢を見せ始め、米中の経済摩擦が解消される流れができつつあります。
そうなれば、投資家からのアメリカ経済に対する不安も取り除かれることになり、アメリカ株に資金が流れ込んでくることが予想されます。また、トランプ大統領自身も、アメリカ国内の株価引き上げに躍起になっています。
アメリカの株価を引き下げる大きな不安材料となっていた中国との貿易摩擦が解消されることになれば、このままアメリカ株価は上昇していくことが予想されるでしょう。
また、こちらも長期のトレンドでみれば上昇している日経平均株価ですが、アメリカのNYダウと連動して動く傾向があります。今後、アメリカ経済が抱えていた不安が解消され、NYダウが安定して上昇していくようなら、日経平均株価もそれにつられるように大きな下落を見せることなく上げていくことが想定されます。
【PROFILE】池辺雪子(いけべ・ゆきこ):東京都在住の主婦。若い頃から株や商品先物投資を学び、2000年からFX投資を始め、これまでに8億円以上の利益をあげている敏腕トレーダー。2007年春、脱税の容疑で起訴、同年夏、執行猶予刑が確定。その結果、所得税、延滞税、重加算税、住民税、罰金(約5億円)を全て即金で支払う。2010年9月に執行猶予が満了。現在は自らの経験をもとに投資、納税に関するセミナー、執筆活動を行っている。トルコリラ/円、ドル/円、他通貨、日経平均株価などの値動きに関する詳細な分析を展開する「池辺雪子公式メルマガ」も発信中(http://yukikov.jp/)。