本来なら、そんな人物のアカウントはさっさと“ミュート”すれば良いのだが、ネット利用歴がそれほど長くない高齢者の中には、「いいね」を押さないと機嫌を損ねたり、「最近書き込みがないが、体調は大丈夫ですか?」などとわざわざ言ってくる人がいるのだとか。そして、最大の問題が「訃報」だという。
「電話で訃報を伝えるのはハードルがなかなか高いものですが、SNSだと気軽に連絡しやすいので、『○○さんが亡くなりました』という連絡がかなりの頻度でやって来ます。一応伝えておこうと思うのでしょうね。これまでなら足を運ばなかったような関係の人でも、訃報を伝えられてしまったら、お通夜や葬儀に足を運ばないわけにはいきません。お香典やお花も然り。足を運ぶ手間も大変ですが、出費の方がシャレになりません」(Nさん)
今やSNSを開く度に、「今日は訃報が来ていないだろうか」とビクビクしているというNさん。いっそのことSNSをやめてしまおうかとも考えてはみたものの、一気に交際範囲が狭まるのは、それはそれで怖いのだとか。今となっては後の祭りだが、「もう少し慎重に卒年賀状のやり方を検討するべきだった」と、後悔しているそうだ。