投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が2月4日~2月8日のドル・円相場の見通しを解説する。
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今週のドル・円は下げ渋りか。1月29-30日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合結果や声明内容を受けて、利上げ休止観測が広がっている。ただ、欧州経済の景気減速が意識されており、リスク選好的なユーロ買い・米ドル売りは縮小しつつある。また、英国の欧州連合(EU)からの離脱(ブレグジット)に関する協議は先読みできない状況にあることから、英中央銀行金融政策委員会(MPC)はハト派寄りの政策スタンスにならざるを得ず、ポンド買いは入りづらい。このような状況下ではリスク回避のドル売り・円買いは抑制される可能性が高いとみられる。
2月4-8日週に発表される10-12月期国内総生産(GDP)など、主要経済指標が低調な結果となった場合、リスク回避のドル売りがやや強まる可能性がある。しかしながら、米利上げ休止観測の台頭によって豪ドルやNZドル、南アランドなど資源通貨はドルに対して強い動きを見せており、金利差を意識して対円でも買われている。このため、米国金利の先高観は後退してもリスク回避のドル売り・円買いは拡大せず、ドル・円は下げ渋る可能性があろう。
【米・1月ISM非製造業景況指数】(5日発表予定)
5日発表の米1月ISM非製造業景況指数は57.3と、12月の58.0を下回る見通し。好不況の節目となる50は大幅に上回るものの、昨年秋以降は伸び悩んでおり、1月分の数字が市場予想を下回った場合、ドル売りにつながろう。
【米・10-12月期国内総生産(GDP)速報値】(4日-8日週に発表予定)
来週中に発表予定の10-12月期 GDP速報値は、前期比年率+2.6%と予想されている。4-6月期は前期比年率+4.2%、7-9月期は同+3.4%と成長率は徐々に鈍化しており、10-12月期の成長率がさらに低下した場合、今年前半の利上げシナリオは大幅に後退しそうだ。