ただ、ドルが売られた反面、NYダウの平均株価は大きく上昇しました。
利上げが停止されれば、アメリカの企業が銀行から借り入れしているお金についてくる金利の負担が減ることにつながります。
FRB(連邦準備制度理事会)は、2015年12月から段階的に金利の値上げを繰り返してきました。最終的には3.50%を目標に金利を上昇させると予測されていましたが、このままだとその目標に到達する前に終了する見込みが出てきたわけです。
アメリカ企業にとっては、借入金に対する金利の負担が軽減されるわけですから、金利上昇のストップは業績アップにつながります。それを見込んだ投資家たちがアメリカ株を買い、アメリカ株式市場は大きな上昇を見せたわけです。
ただ、利上げ終了を示唆したFOMCの会見後に発表された雇用統計では雇用者数が事前の市場予想よりも大きく上回る発表となりました。これを受けて、ドル円相場はFOMCの会見後とは逆に50銭以上円安方向へ動きました。FOMC後に円高へと振れた分が雇用統計で戻した形となりました。
しかし、冒頭でもお伝えしたように1月度の雇用統計発表は手放しで喜べるような状況ではなく、強弱入り乱れた結果となっています。FOMCの声明でもあったパウエル議長の「忍耐強く」という言葉は、このような状況を指してのことだと考えられます。
FRBはすでにハト派と化しているので、利上げに踏み切れる十分な材料がない限り、今後、追加の利上げが行われる可能性は低いといえるでしょう。
ただ、金利の負担低下や雇用の増加は企業にとっては追い風となります。そうした意味から、今後もアメリカ株は上昇傾向にあるといえるでしょう。
アメリカ株が好調になれば、日経平均もつられて上がる傾向にあるので、日経平均のこれからも期待できるかもしれません。