EUとのEPA発表が与える株価への影響
もうひとつ、日本経済にとって追い風となるEU(ヨーロッパ連合)との経済連携協定(EPA)が発効されました。
日本とヨーロッパの貿易額は世界全体の貿易における3割を占め、域内には6億人を超える人口がいるため、世界最大級となる自由貿易圏が誕生したことになります。
EPAによって、チーズやワインといった食料品や毛皮などにかけられていた関税が撤廃される見通しで、ヨーロッパからの輸入品が安くなるのは確実です。たとえば、ワインを例にすると、今まで15%または、1リットルあたり125円かかっていた関税が撤廃されることになります。
もちろん、日本からヨーロッパへの輸出品の関税も撤廃されるので、日本とヨーロッパで行われている貿易がこれまで以上に活発となることでしょう。
昨年末には、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)も発効されていますので、EPAで日本の自由貿易圏が大きく広がったことになります。
ただし、このEPAの発効が即座に株式相場に反映されるかといえば、そうではありません。こういったファンダメンタルズ的な要素は相場に反映されるまでに時間がかかってしまいます。EPAが日本の株価にとって良かったか悪かったのかを判断するには、後になってその結果を見るしかないのです。
短期的に相場の上下を予測するのには、ファンダメンタルズは不向きです。そのため、ファンダメンタルズだけではなくテクニカル分析もぜひ、身につけておきましょう。
【PROFILE】池辺雪子(いけべ・ゆきこ):東京都在住の主婦。若い頃から株や商品先物投資を学び、2000年からFX投資を始め、これまでに8億円以上の利益をあげている敏腕トレーダー。2007年春、脱税の容疑で起訴、同年夏、執行猶予刑が確定。その結果、所得税、延滞税、重加算税、住民税、罰金(約5億円)を全て即金で支払う。2010年9月に執行猶予が満了。現在は自らの経験をもとに投資、納税に関するセミナー、執筆活動を行っている。トルコリラ/円、ドル/円、他通貨、日経平均株価などの値動きに関する詳細な分析を展開する「池辺雪子公式メルマガ」も発信中(http://yukikov.jp/)。