65歳になるまでフルタイムで稼ぎながら、失われる年金をしっかり取り戻し、65歳からも高収入を維持する“第三の方法”を、社会保険労務士の拝野洋子氏が指南する。
「在職老齢年金の減額は、厚生年金に加入していない人には適用されません。会社と相談して雇用契約ではなく『業務委託契約』を結べば、フリーランスとして働ける。特殊な資格などを持っていれば自営業になりやすいですが、そうでなくとも、フリーランスになれば厚生年金から外れて、いくら稼いでも年金が減額されずに済むのです。
“業務委託契約にしてほしい”と会社に言い出すのは憚られると思う人もいるかも知れませんが、会社にとっても、各種社会保険料の事業者負担分を支払う必要がなくなるというメリットがある。認められるケースは、これから増えていくのではないか」
業務委託は雇用契約とは違い、同時に複数の会社と契約を結んでも問題ない。手に職があるなら、どんどん仕事を増やしてもいい。どれだけ収入が多くなっても年金がカットされることはないのだ。
他にも、表にまとめたような条件にあるときには、厚生年金に加入せず、年金が減額されないで済むケースも存在する。
Aさんが月36万円の報酬で業務委託契約を結んだ場合、年金カットがないから65歳になるまでは「月給+厚生年金」で44万円。65歳からは「月給+厚生年金+基礎年金」で50万5000万円の収入を得ることができる。
年金を余分に奪われないためには、本当の意味での「働き方改革」が必要なのだろう
※週刊ポスト2019年2月15・22日号