親が亡くなったときの手続きや届け出は多岐にわたる。故人が亡くなるまでのその年の所得によっては必要となる「所得税の準確定申告」の期限が4か月なので、その手続きもしなくてはならない。一般社団法人相続手続きカウンセラー協会代表の米田貴虎氏が指摘する。
「アパートを持っていたり、仕事をしていて所得があった場合で、納税の必要があると4か月以内に税務署へ申告しなくてはならない。手続きの仕方は通常の確定申告と同様です」
逆に生前の医療費に10万円以上かかっていたようなら、準確定申告で医療費控除を申請すれば、いくらか取り戻せる。医療費控除は、やむを得ず使ったタクシー代や、医師の許可を得たオムツ代なども控除対象として認められるので、とりあえずレシートはとっておいたほうがいいだろう。
同様に親の死後、請求すればもらえるお金もある。故人が加入していた健康保険の窓口で行なう「葬祭費(埋葬料もしくは埋葬費)の申請請求」などだ。
故人が国民健康保険(後期高齢者医療制度)に加入していた場合は3万~5万円程度の葬祭費が、会社などで健康保険に加入していた場合には埋葬料5万円などが支給される。申請期限は葬儀の翌日から2年以内だ。
終末医療などで多額の医療費がかかった場合、「高額療養費の払い戻し申請」で、お金が返ってくることもある(時効は2年)。
※週刊ポスト2019年2月8日号