親の死後、忘れてならない手続きが「未支給年金の請求」「年金受給権者死亡届」「遺族年金の請求」だ。遺族年金は故人が生計を維持し、年収850万円未満の場合に支給される。受給資格があっても申請しなければもらえない。社会保険労務士の鈴木正章氏が解説する。
「未支給年金と遺族年金はどちらも、請求のリミットは権利が発生してから5年です。親が亡くなった後のバタバタで手続きを忘れていたりした場合は、時効が過ぎてしまうケースがあります。
遺族年金は細かな条件を満たさなければ発生しませんが、未支給年金はほとんどの人に発生します。ただし、故人と生計同一であることが条件です。年金は基本的に偶数月の15日に2か月分が振り込まれるため、死亡月により1か月分か2か月分の未支給年金を受け取ることができます」
未支給年金の請求には年金受給権者死亡届や別居していた場合は「生計同一関係に関する申立書」などが必要になるが、日本年金機構などのホームページで確認して事前に揃えておけば、年金事務所に行くのは1回で済ませられる。
「不慣れな人や不安な人は、まず一度年金事務所に行って申請書の書き方の指導を受け、必要な添付書類を確認してから、再び年金事務所を訪れて提出するほうが間違いないでしょう」(同前)