売買比率から見るトルコリラ
トルコリラはスワップ金利目的で取引をされる方が多く、もちろん買い玉の比率が圧倒的に多いのですが、ここ最近の動きを見ると、これまで下落が続いていたときの状況と少し変わってきたように見えます。
2018年の8月にトルコリラは15.30円の安値まで下落しましたが、その前の相場を見て見ると5月に22.22円まで下落した後22~25円のレンジ相場を長く続けていました。そうしたことから、おそらく22~25円台くらいで買いポジションを持たれている方も多いと思います。
現在、トルコリラ1枚あたりの金利は1年で4万2000円ほどつきますので、8月からみると5か月で約2万円の金利がついています。2万円の金利がついているということは自分の買いコストよりも2円下まで下がっても大丈夫ということです。
つまり、23円で買われていた方は実質21円で買いを持たれたのと同じことになり、差益ではマイナスでも金利と合わせるとプラスマイナスゼロになっているわけです。22円台で買われた方はトータルでプラスになっているでしょう。
そうしたことから買い玉を決済される方が多く、相場は上昇しているのに買い玉が減ってきているという事態になっています。
買い玉が多いということは、利益確定の売り決済によって相場が上昇しにくい状態であるということ。それが徐々に買い玉が減ってきているわけですから、売買比率の内訳からいうと現在は非常に買いやすい状態だと捉えられるでしょう。
私は、長い目で見れば2020年の春くらいには、23円から25円くらいにのせることもあるのではないかと考えています。スワップ金利を受け取りながら辛抱強く待っていれば、仮にもう少し高い位置で持っている人もトータルで見ればプラスになるということが十分に考えられるのではないでしょうか。
【PROFILE】池辺雪子(いけべ・ゆきこ):東京都在住の主婦。若い頃から株や商品先物投資を学び、2000年からFX投資を始め、これまでに8億円以上の利益をあげている敏腕トレーダー。2007年春、脱税の容疑で起訴、同年夏、執行猶予刑が確定。その結果、所得税、延滞税、重加算税、住民税、罰金(約5億円)を全て即金で支払う。2010年9月に執行猶予が満了。現在は自らの経験をもとに投資、納税に関するセミナー、執筆活動を行っている。トルコリラ/円、ドル/円、他通貨、日経平均株価などの値動きに関する詳細な分析を展開する「池辺雪子公式メルマガ」も発信中(http://yukikov.jp/)。