今後、今やタイ語がすっかり堪能なAさんは日系企業との取引を模索し、起業も視野に入れている。だが、Aさんは、必ずしも移住が「正解」ともいえないと釘を刺す。重要なのは価値観を固定化させないことだという。
「SNSで『日本脱出』などとつぶやける人はまだいい。知らず知らずに日本独自の圧力に萎縮してしまい、自信をなくしている人もいる。漠然とつらいと感じているなら、海外旅行などして、こういう生き方や価値観が許される場所があることを知るだけでも、日本での生活が少し楽になるはず。自分を追い詰めないでほしい」(Aさん)
自らの居場所は日本だけとは限らない。柔軟な思考と行動力が、これからの時代を生き抜くカギともいえるのかもしれない。